エイジングを堪能する、スロウのHERBIE(ハービー)レザー
「自分たちが持ちたくなるモノを作る」という精神を原点に、良質な素材を使い、日本の職人がつくるハイクオリティなファッションアイテムを提供し続けているスロウ。コレクションの中でも特に多いのが、革製品のバッグや小物たち。国内外から様々な種類の革を厳選し、商品に落とし込んでいます。例えば、国内であればヌメ革で有名な栃木レザー、イギリスであればトーマス・ウェア・アンド・サンズのブライドルレザーというように、名高いタンナーのレザーがずらりと並びます。そんなスロウの中で、革好きなファンを唸らせる魅力的なレザーとして、近年多くのアイテムに使用されているのがHERBIE(ハービー)レザーです。
今回はこのハービーレザーをピックアップし、歴史やエイジング、おすすめアイテムの紹介など、その人気の魅力に迫ります。
無骨さと色艶の好バランス、老舗タンナーがつくるハービーレザー
ハービーレザーは、国内屈指の老舗タンナーである山陽社がつくるレザーです。創業は1905年という長い歴史を持つ山陽社。かつて日露戦争時には軍需用のベルトや革靴などを生産していた実績もあり、現在でも高品質な革を提供し続けていることで知られています。
その山陽社がつくる数多くの革の中でも、最も手間暇のかかる生産方法を経て誕生するのがハービーレザーです。良質な原皮を、北米産のミモザから抽出したタンニンのピット層に漬け込み、長い時間をかけて皮から革へと変化させます。仕上げには蝋引きを施して、耐久性を高めているのも特徴です。丈夫さと無骨さを備えながらも軽量で、しっとりとした手触りや艶があるハービーレザー。自然素材を使ったナチュラルな製法のため、もともと原皮表面にある地傷や筋もそのまま確認することができます。経年変化もしやすく、革本来の風合いを存分に楽しむことができる国産フルベジタブルタンニンレザーです。
唯一無二の進化、エイジングすると飴色の艶が現れる
こちらはハービーレザーの新品と使用品を比べたものです。色はどちらもレッドブラウンで、下段は新品の長財布、上段は使用品の三つ折り財布です。使い始めてから1年半程経過した三つ折り財布の方は、表面に飴色の艶が現れ、美しい光沢を放っているのが見てとれます。
マットでムラ感のある表情が特徴のハービーレザーですが、使いこむほどにキメ細かい表面になり、ずっと触っていたくなるようなしっとりとした手触りへと進化。使用頻度にもよりますが、ワントーン落ち着いた色合いになってくると経年変化が進んでいる証拠です。
魅力的なエイジングをするために必要なお手入れとは
せっかく手に入れたハービーレザーですから、長く経年変化を堪能したい、美しい光沢をキープしたい、という方に知っておいてほしいのがお手入れ。
まずはブラッシング。柔らかい天然毛のブラシで表面をさっとブラッシングし、汚れや埃を落とし、キメを整えます。頻度は「気づいた時で充分」とのこと。併せて、柔らかい布で表面をから拭きするのもおすすめです。3〜4ヶ月に1度、自然由来成分のクリームやオイルを塗り込んで乾燥を防ぐのも美しさを保つためには効果的なケアの一つ。ただし、オイルなどは入れすぎると曇ってしまうためそこは加減が必要です。
とは言っても、もともと蝋の成分が入った屈強なハービーレザーは、手脂のみでも蝋が馴染んでいき、充分なエイジングを披露してくれます。革としてのポテンシャルが高く、特別なケアをする必要もないくらいなのですが、ケアをすればするほど応えてくれるのもまたこの革の魅力。お手入れ好きの方にも、本革を持つのは初めてという方にもおすすめです。
購入した新品時より、使い込んでからが満点になっていく
ハービーレザーは、早い経年変化と、簡単なお手入れで、誰でも美しい経年変化を手に入れることができます。本体のエッジ部分やスナップボタン部分にはアタリも出現。同時に、丁寧な縫製のステッチや高度なコバ処理が際立ってくるため、よりアイテムの質の高さを実感できるのもこの頃。ますます愛着が湧いてきます。
良い革製品とは、購入時に100点満点で、使っていくと劣化していくようなものではなく、使い込むほどにどんどん風合いが出て100点満点以上のもの、点数では測れない「オリジナルの逸品」になっていくものではないでしょうか。
スロウ ハービー ラウンド ロングウォレット フルベジタブルタンニンレザー 長財布 herbie round long wallet SLOW SO838K ¥ 35,200 (税込)
ハービーレザーの醍醐味を存分に味わえる、ラウンドロングウォレット
革好きのベテランファンにとっても、初心者の方にもおすすめできるスロウのハービーレザーアイテム。その中でも、たっぷりと素材とエイジングを堪能できるのがこちらのラウンドロングウォレット。真鍮製のファスナーが本体をぐるりと囲み、間口を広く開けられる長財布です。長財布は見ての通り、革を使う用量が多く、こちらに至っては外側のみならず内側にも同色のハービーレザーを贅沢に使用。大容量ジャバラ式の収納室を備え、お札の仕分けや豊富なカード収納を可能にします。コイン室も広々とした空間で、見渡しも抜群。全体のエイジングだけでなく、中のパーツごとのエイジングも楽しめます。
ぜひ自分だけの時の流れを刻んでみませんか。